WORKS
仕事紹介
森林の1サイクルは50年以上。私たち林業はその長い歴史を、
未来の資源へ繋ぐお仕事です。
森林は成長のサイクルの中で世代交代を繰り返していきます。
林業の主なフィールドである人工林(人間が植栽した林)においては以下のサイクルとなります。
1つのサイクルは、樹種(成長の早さ)や仕立て方(短伐期・長伐期)によって様々ですが、概ね50年から100年くらいと言われています。
01
林業のサイクル
Forestry Cycle
主伐
収穫適齢期に植林木を伐採・収穫します。
地拵(※1)
収穫跡地を苗木が植えられるように整理します。
植付幼令林期
苗木を植栽します。
下刈
苗木が周りの草に負けないよう、草を刈り払います。
除伐若令林期
植林木が周りのかん木に負けないよう刈り払います。
間伐
健全な生長を促すよう植林木を間引きし収穫します。
主伐(老齢林になる前に世代交代)壮令林期
まとまった面積内の植林木(※2)を全て収穫します。
- ※1)地拵は、本来造林作業ですが、近年は主伐とひとまとめにして実施するケースも増え始めています。
- ※2)人工林には植林木とともに、後から生えてきた広葉樹も混ざることがあり、これも一緒に収穫します。
- ※1)地拵は、本来造林作業ですが、近年は主伐とひとまとめにして実施するケースも増え始めています。
- ※2)人工林には植林木とともに、後から生えてきた広葉樹も混ざることがあり、これも一緒に収穫します。
これらはサイクルとして継続していくので、どこを始まりとしても同じです。今が若令林なら、次はいよいよ収穫間伐の時期だとなります。また、天然林においても、稚樹が少ない箇所への苗木の植え込みや大径木を伐採して次世代更新を促す作業が行われています。もちろん、人間の手を全く加えない「保護林」として指定されている森林もあります。
02
木材の活用区分
Uses of Wood
こうして生み出された木材は、森林から搬出され資源として人間が利用します。
利用先は、丸太の品質に応じて、次の4つ(プラス未利用材)のグレードに分けられます。
A材柱・板・家具材などに挽く製材用丸太
製材工場へ出荷
B材合板用丸太
合板工場へ出荷
C材製紙用丸太
製紙工場、チップ工場へ出荷
D材燃料用丸太
燃料用としてチップに加工
未利用材
梢や枝、追上材(丸太に切る時に捨てられる端材)
王子フォレストリーは林業サイクルの全工程と、燃料用チップの生産(D材~未利用材)を行っています。
03
森林の機能
Role of Forests
森林には人間を含めた生命に与えるたくさんの恩恵(機能)があります。
自然界の働きを人間が言葉で表現するのですから分類の仕方は様々ですが、例えば林野庁は8つの機能で説明しています。
生物多様性保全
いろいろな動物の住処になります。
地球環境保全
地球温暖化を防ぎます。
土砂災害防止 / 土壌保全
山が崩れるのを防ぎます。
水源涵養
水を貯え、きれいにします。
快適環境形成
空気をきれいにし、生活環境を快適にします。
保健・レクリエーション
レクリエーションの場になります。
文化
文化・景観を形作ります。
物質生産
木材やきのこの生産の場になります。
【出典】林野庁HPより
林業は物質生産(人間社会に木材を供給する)を行う産業ですが、もちろん他の機能を軽視して行われるものではありません。そのキーワードが「健全な森づくり」です。活力ある森林のサイクルを持続することで、木材以外のたくさんの恩恵も得られるよう努力しなければなりません。それが森林という大きな生態系の中で、生業(なりわい)を営む林業の使命です。